妹の恋人[完]
カナコも持っていたら、メールとかできるのになぁ。

そんなことを思いながら、家へ電話をすると、電話に出たのはカナコだった。

『おにいちゃん!?いつ帰ってくるのよー!』

電話の向こうでむくれているのがすぐわかる。かわいいカナコ。

今から帰ることを伝えると、土産にコンビニでジュースを買ってきて!と言われてしまった。

家の中で誰よりもカナコに甘い俺は、言われたとおりにジュースを買って帰り、いつも母さんに怒られるんだ。

でも、カナコも喜ぶ顔がジュース一本でみられるなら、母さんに怒られたっていいや。

そんな気になってしまう俺って、やっぱり・・・。

自転車に乗って少し遠回りをしてコンビニへ寄り、カナコの好きなオレンジジュースを買って家路を急いだ。

「ただいまー」

帰宅すると真っ先に玄関へ飛んできたカナコ。

「おにーちゃん、お帰り!」

いつものように俺に飛びついて、腕をからめてくる。

3年生になるのに、相変わらずでちょっとうれしいんだ。

「いい子にしてた?」
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