妹の恋人[完]
カナコのおでこに、まだ冷たいオレンジジュースを当ててやるとひゃあっと変な声を出しながらジュースを受け取り、俺の腕を掴んで急ぎ足でリビングへ連れて行く。

「ただいま~」

お茶を飲みながらテレビを見ていたらしく、ソファに座った母さんがおかえり!と笑ってくれた。

「明日から朝連、7時半集合だから7時には家を出るよ」

コンビニでコピーしてきた部活の予定表を母さんに渡し、着替えてくるよと階段を上ると、カナコが当たり前のようについてきた。

「おにいちゃん、バスケットやるの?」

制服を脱いでいる俺を見ながら、話しかけてくるカナコ。

「・・・カナコ、恥ずかしくないの?」

シャツを脱いでズボンを脱ぎ、パンツにTシャツだけという格好の俺。

そんな俺を見ても、なんともないカナコ。

「え?あ、おにいちゃん、恥ずかしいの?」

逆に聞かれちゃって、こっちが恥ずかしくなってしまった。

あわててジーパンとTシャツを着て、制服をクローゼットに片付ける。

「そろそろ、男の人が着替えるところを見るのは、どうかと思うよ」
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