妹の恋人[完]
「どうした?」

俺が帰宅したときカナコが起きていたらいつも玄関で抱きついてくるけど、最近はずっと帰りも遅くて玄関で迎えてくれることはなかった。

だから、こんな風に抱きつかれるのはすごく久しぶりで。

ちょっとどきどきしちゃって。

カナコの背中に手をまわして、ぎゅっと抱きしめ返してあげる。

「ふふ。おにいちゃんにぎゅってしてもらうの、久しぶりだー」

顔だけあげて俺を見上げるカナコ。かわいいカナコ。

「学校でなにかあったの?」

「ううん、なにもないよ!あ、この前のテストでね、算数が100点だったんだよ!すごいでしょ!」

俺からぱっと離れたカナコは、机の上にあった答案用紙を持ってきて、俺に見せてくれた。

「国語はね、97点だったんだけどね」

2枚の答案用紙は、本当に丸ばかりで。

100点ってすごいなぁ。俺3年生の時、何点取ってたんだっけ?思い出せないや。

「カナコすごいな!毎日勉強してるって母さんも感心してたよ」

「ハナちゃんとね、毎日勉強してるんだ~。おにいちゃんの通ってる高校にカナコも行くんだからね!」

「それは楽しみだな」
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