妹の恋人[完]
頭をくしゃくしゃっとなでてやると再びカナコが抱きついてきた。

「カナコ、眠いんじゃないの?」

まだ寝ぼけているのかな?と思うくらい動きの鈍いカナコ。

かわいいんだけど、眠いところを起こしちゃったし、なんだか申し訳なくて。

「うん、おやすみおにいちゃん」

「おやすみ、カナコ。いい夢を」

カナコをベッドに寝かし、頭をなでてから部屋を出た。

リビングへ降りると、父さんも帰ってきていて、二人で一緒に夕飯を食べた。

最近帰りの時間が同じくらいになることが多く、夕飯は父さんと二人で食べることが多かった。

「カナコのテスト、すごいね」

テストの話になり、父さんと母さんも感心していた。

「ハナちゃんと二人で、本当に毎日勉強しているのよ。どうしちゃったのかしら?」

うれしそうに、くすくす笑う母さん。

母さんの話によると、俺が受験で塾に通い始めたころからずっと続いているんだとか。
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