妹の恋人[完]
全く気がつかなかったけど、それまでは俺が宿題を見てあげていたんだからその癖が抜けないんだろうか?

どちらにしても、自分から勉強できるなんていいことだし、このまま続くといいな。

「外で遊ばないのか?」

もう少し子供らしくしてほしいのに、と食後のお茶を飲みながら父さんがつぶやく。

確かに、外で元気に遊びまわるカナコの方が子供らしくていいと思うなぁ。

「大丈夫、ちゃんと外でも走り回っているのよ」

学校から帰ってきて、ひとしきり遊んだら5時には帰宅して宿題をすませるのよ、という。

すごいな、しっかりしてる。

「そのうち中学受験するとか言わないか、ドキドキしてるんだから」

カナコのクラスにも中学受験を考えて塾へ通いだした人が何人かいるとか。

こんな田舎でも中学受験が・・・と驚いたけど、よく考えたら俺の時も一人いたっけ。

「まあ、カナコが決めることですからね。私は応援するけど」

ふふっと笑う母さん。

「ハナちゃんと二人で、なんだかよくわからないけど燃えてるのよ」

どうしてあんなに勉強に必死になるのかしら?と不思議そうな母さん。

でも、毎日二人で宿題と勉強をするのがとても楽しいようで、勉強しているはずなのにきゃっきゃと笑い声も聞こえてくるとか。

成績もちゃんと伸びているし、二人に任せているという母さん。

まだまだ3年生って子供だと思っていたけど、ちゃんと自分たちで考えてあれこれやれているのがすごいなぁ。

「さ、お父さんかコウヘイか、お風呂済ませてくださいね」

食後の後片付けをしながら母さんに促され、まだお茶を飲んでいるという父さんより先にお風呂へ入ることにした。
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