妹の恋人[完]
ゆっくりとお湯につかり、今日の出来事を振り返ってみる。

そうだ、お風呂からあがったら高橋さんに電話をしてみよう。

あ、でも勉強しているかな?メールの方がいいんだろうか。

のぼせそうになってあわててお風呂から出て、冷蔵庫のお茶を飲んで自分の部屋へ行く。

部屋に置きっぱなしになっていた携帯を見ると、着信があったことを知らせるランプが点滅していた。

珍しいな・・・と思い、相手を確認すると高橋さん。

10分ほど前の履歴だったので、今ならまだ電話しても大丈夫だろうか。

そう思いながら電話をかけなおすと、2回コールしたところで高橋さんが出た。

『浅野君?忙しかった?』

「ごめんね、お風呂に入っていたんだ」

もしもしもなく、突然話し始めた高橋さんがなんだかおかしくて、笑ってしまった。

『やだ、笑わないでよ』

電話の向こうで膨れているんだろうか、なんだかかわいい。

『今日ね、ワタルから電話があって、浅野君と仲良くなれそうだって言ってたよ』

高橋ワタル。そうか、電話でも話をするんだ。

このもやもやした気持ちは、嫉妬なんだろうか?
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