妹の恋人[完]
うれしい!と電話の向こうで喜ぶ高橋さん。

カナコとハナちゃんのように、誰かと一緒に頑張るというのもいいもんだと思って、来週が楽しみになった。

高橋さんとも一緒にいられるし。

それじゃまた明日学校でね、と電話を切ったのが12時になる頃。

少しだけ勉強をして、寝ることにした。

携帯の番号を交換できてよかった。明日も頑張ろう。

次の日は起きたら雨で、自転車で行くか迷っていたら母さんが学校まで送ってくれるという。

申し訳ないし、カナコの準備もあるからとバス停まで送ってもらうことにした。

「おにいちゃん、いってらっしゃい!」

玄関で元気なカナコに見送られ、母さんの運転する車でバス停へ向かう。

途中、高橋さんの家の前を通った時に、母さんが思い出したように言いだした。

「そういえば、高橋さんとはうまくいっているの?」

うまくいっているってどういうこと?

「喧嘩とかはしていないけど・・・???」

母さんの言う意味が分からずに答えると、あははと大きな声で笑われてしまった。

「やあね、コウヘイ。高橋さんと付き合っているんじゃないの?」

え!?突然何を言い出すの!?母さんの言葉にびっくりして、バス停に着いたのに車から降りるのを忘れてしまった。

「あら、違ったの?お付き合いしていると思っていたわ」
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