妹の恋人[完]
すぐに震えが止まったのでメールだと思い、そのまま取り出して確認すると、高橋さんから。

思わず顔がにやけてしまったのがばれて、相沢にからかわれてしまった。

メールの内容は、帰りに下駄箱で待ち合わせしましょう、といもの。

すぐに了解、とだけ返信して、再び鞄へと片付けた。

「なんだ、お前彼女でもいたの?」

「え?」

すげーうれしそうでムカつく、と相沢に笑い飛ばされ、思わず顔が赤くなってしまった。

メールでやり取りしただけなのに、そんなに態度に出ていたんだろうか?

「相手は誰だよ?」

俺のお弁当箱から卵焼きを奪い取ると、ぱくっと一口で食べ
てしまった。

「なんだよ、もう・・・」

彼女じゃないし、ただ一緒に帰る約束をしただけだし・・・と心の中で呟きながら、残りのお弁当を食べ終えた。

「で、だれなんだよ?」

食後のお茶を飲みながら、しつこく問いただしてくる相沢。

「誰でもいいだろ。それより相沢は彼女居ないのかよ?」

「俺?いるよ。C組の伊藤さん」

「え!!!」

普通に彼女の名前が出てきて、かなり驚いた。

柔道と勉強にしか興味がないのかと思ってた、と思わず口にしてしまい、相沢に頭を叩かれた。

「おまえなぁ。高校生になって女の子に興味がないの、コウヘイくらいだろ」
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