【完】『そろばん隊士』明治編
また。
東山の若王子山と呼ばれる銀閣に程近い墓所に、刻名の判然としない明治期の墓石があり、これが岸島の墓であるともされる。
新島夫妻の墓所なども近く、どうやら関わりを持つ人物の墓であることだけは確かながら、来歴など一切は不明である。
ちなみに。
おまさこと原田まさと八重は最も長生きし、太平洋戦争が始まる八年前の昭和八年、二人は共に亡くなっている。
二人の証言が何かあれば岸島の消息は分かるかも知れないが、現代の技術ではどうしようもないであろう。
【完】