Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
警戒しながら鋏の突き立った一枚を取り出すと、映っていたのは私と御堂さんのふたりだった。
うしろ姿で肩を並べて歩いている。だれかが背後から撮ったのだろう。
その服装は、今、私たちが着ているものと同じ――つまり、撮影した日は今日。
日中であるところを見ると、おそらくお昼ごはんを食べにいったときだ。
そして、その鋏が刺さっていた場所は、御堂さんを避け私の背中のど真ん中。
明らかに、私に対する嫌がらせだった。
背筋に冷たいものが走って、眩暈がした。
「……っ!」
「華穂ちゃん!」
よろめく私の背中を、御堂さんが支えてくれた。
気がつくとガタガタと震えていて、そんな私の肩をギュッと強く抱きしめながら、御堂さんは私に言い聞かせる。
「大丈夫だ。華穂ちゃん。大丈夫」
これ以上、目の前のものが視界に入らないように、私の顔を自分の胸に押し付ける。
「タクシーに戻ろう。それから、警察を呼ぼう。大丈夫、ずっと俺がそばにいるから」
大丈夫だなんて、気休めだ。
写真に刺さっていた鋏が、いつ私自身の身体に突き立てられるか。
考えると気が狂いそうなほどの恐怖が押し寄せてきた。
けれど、今はただ御堂さんの『大丈夫』を信じることしかできなくて、私はぎゅっと強く目を瞑り、目の前の現実から逃げ出そうとした。
うしろ姿で肩を並べて歩いている。だれかが背後から撮ったのだろう。
その服装は、今、私たちが着ているものと同じ――つまり、撮影した日は今日。
日中であるところを見ると、おそらくお昼ごはんを食べにいったときだ。
そして、その鋏が刺さっていた場所は、御堂さんを避け私の背中のど真ん中。
明らかに、私に対する嫌がらせだった。
背筋に冷たいものが走って、眩暈がした。
「……っ!」
「華穂ちゃん!」
よろめく私の背中を、御堂さんが支えてくれた。
気がつくとガタガタと震えていて、そんな私の肩をギュッと強く抱きしめながら、御堂さんは私に言い聞かせる。
「大丈夫だ。華穂ちゃん。大丈夫」
これ以上、目の前のものが視界に入らないように、私の顔を自分の胸に押し付ける。
「タクシーに戻ろう。それから、警察を呼ぼう。大丈夫、ずっと俺がそばにいるから」
大丈夫だなんて、気休めだ。
写真に刺さっていた鋏が、いつ私自身の身体に突き立てられるか。
考えると気が狂いそうなほどの恐怖が押し寄せてきた。
けれど、今はただ御堂さんの『大丈夫』を信じることしかできなくて、私はぎゅっと強く目を瞑り、目の前の現実から逃げ出そうとした。