Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
「あの、私は――」
言いかけたところで、コピー機がピーピーとエラー音を発した。
操作パネルには『用紙が詰まっています』のメッセージ。
「あれ? あれ?」
女の子が困惑した様子で給紙トレイや側面カバーを開けたり閉めたりするが、鳴りやまない。
「ここじゃないですか?」
私が側面カバーの脇にあるレバーを持ち上げパーツを引き抜くと、案の定、くしゃくしゃに丸まった紙が挟まっていた。
総務という仕事柄、コピー機の扱いには慣れている。紙詰まりといったら、だいたいこの付近だ。
外から詰まっているのが見えないから、詳しくないと気づかないかもしれない。
「本当だ! ありがとうございます!」
詰まった紙を取り除きカバーを閉めると、操作パネルのエラーメッセージが消え、ウィーンという起動音が鳴り始めた。
やがて印刷が再開される。随分と溜め込んでいたらしく、休むことなくプリンターは用紙を排出していく。
「助かりました! 急いで印刷しなければならない資料があって……!」
プリンターが止まると、彼女は印刷物を取り出して、うしろにある大きなテーブルの上に置いた。
そこにはすでにたくさんの印刷物が積み上がっていた。
プリンターが動かなくなる前に印刷したものだろう。
「ああ! 大変! あと十分しかない! 早く作らなくちゃ!」
女の子が慌てふためいた様子で文書を並べ始める。
見慣れたこの作業。おそらく、彼女のしたいことは……
「……これをホチキス止めするんですか?」
「はい……。ただ、量が多くて」
女の子が涙目になる。
確かに、十分でこの量を捌ききるのは難しい――というか無理だ。
言いかけたところで、コピー機がピーピーとエラー音を発した。
操作パネルには『用紙が詰まっています』のメッセージ。
「あれ? あれ?」
女の子が困惑した様子で給紙トレイや側面カバーを開けたり閉めたりするが、鳴りやまない。
「ここじゃないですか?」
私が側面カバーの脇にあるレバーを持ち上げパーツを引き抜くと、案の定、くしゃくしゃに丸まった紙が挟まっていた。
総務という仕事柄、コピー機の扱いには慣れている。紙詰まりといったら、だいたいこの付近だ。
外から詰まっているのが見えないから、詳しくないと気づかないかもしれない。
「本当だ! ありがとうございます!」
詰まった紙を取り除きカバーを閉めると、操作パネルのエラーメッセージが消え、ウィーンという起動音が鳴り始めた。
やがて印刷が再開される。随分と溜め込んでいたらしく、休むことなくプリンターは用紙を排出していく。
「助かりました! 急いで印刷しなければならない資料があって……!」
プリンターが止まると、彼女は印刷物を取り出して、うしろにある大きなテーブルの上に置いた。
そこにはすでにたくさんの印刷物が積み上がっていた。
プリンターが動かなくなる前に印刷したものだろう。
「ああ! 大変! あと十分しかない! 早く作らなくちゃ!」
女の子が慌てふためいた様子で文書を並べ始める。
見慣れたこの作業。おそらく、彼女のしたいことは……
「……これをホチキス止めするんですか?」
「はい……。ただ、量が多くて」
女の子が涙目になる。
確かに、十分でこの量を捌ききるのは難しい――というか無理だ。