Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
車一台と護衛をひとりつけてもらえることになった。
ビルの地下にある巨大な駐車場で、千里さんの伯母様に手配してもらった黒塗りの高級車に乗り込み、御堂さんに別れを告げ実家へと走り出した。
運転席には気難しそうな顔をしたスーツ姿の男性。この人が護衛を引き受けてくれた鈴木さんだ。
無言も申し訳なく思い「道、混んでいるみたいですね」なんて世間話を持ちかけてみたものの、快い返答はもらえなかった。
私との健やかなコミュニケーションは依頼の範疇に含まれていないらしい。
ビルを出てすぐ、うしろの車がクラクションを鳴らしてきた。
驚いて振り返ると、そこには真っ赤なスポーツカー。前にも見たことがある、陣さんの車だ。案の定、運転席には陣さんが座っていた。
彼が手を振ってきたから、私は慌てて鈴木さんに一度車を停めてほしいと頼んだ。
私たちが路肩に停車すると、次いで陣さんも縦に並べて車を停めた。
外に出た私を見て、彼も後続の車が途切れたところを見計らい運転席から出てくる。
「陣さん! どうしてこんなところに」
「俺の台詞だ。どうして華穂がこの車に乗ってんだ?」
陣さんが車を指さしながら、眉をひそめた。
ビルの地下にある巨大な駐車場で、千里さんの伯母様に手配してもらった黒塗りの高級車に乗り込み、御堂さんに別れを告げ実家へと走り出した。
運転席には気難しそうな顔をしたスーツ姿の男性。この人が護衛を引き受けてくれた鈴木さんだ。
無言も申し訳なく思い「道、混んでいるみたいですね」なんて世間話を持ちかけてみたものの、快い返答はもらえなかった。
私との健やかなコミュニケーションは依頼の範疇に含まれていないらしい。
ビルを出てすぐ、うしろの車がクラクションを鳴らしてきた。
驚いて振り返ると、そこには真っ赤なスポーツカー。前にも見たことがある、陣さんの車だ。案の定、運転席には陣さんが座っていた。
彼が手を振ってきたから、私は慌てて鈴木さんに一度車を停めてほしいと頼んだ。
私たちが路肩に停車すると、次いで陣さんも縦に並べて車を停めた。
外に出た私を見て、彼も後続の車が途切れたところを見計らい運転席から出てくる。
「陣さん! どうしてこんなところに」
「俺の台詞だ。どうして華穂がこの車に乗ってんだ?」
陣さんが車を指さしながら、眉をひそめた。