Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
「話をつけてきた。コイツの代わりに俺が華穂を実家まで送り届けることになったから」
ポカンとする私に、鈴木さんがその手の中にある私のバッグを手渡してきた。
「ご期待に添えず、申し訳ありませんでした」
突然謝られたものだから、ぎょっとして陣さんを見た。
「陣さん、もしかして、鈴木さんになにか言いました?」
「そのままだ。『お前がつまんな過ぎて、一緒にドライブなんかできねぇ』って」
なんてことを!
うつむいてしまった鈴木さんに、とんでもなく罪悪感が込み上げてきた。
「ち、違うんです、鈴木さん! けっしてそのようなことは――」
慌てて弁解する私をよそに、さっさと運転席に乗り込んでシートベルトを締めた陣さんが急かすようにクラクションを鳴らした。
「ほら、華穂、早く乗れ! 行くぞ」
「あ、はい!」
本当にすみません! と最後に鈴木さんへ一礼して、私は陣さんの車へ乗り込んだ。
鈴木さんと黒塗りの車をその場に残して、私と陣さんを乗せた赤いスポーツカーが走り出した。
「で。結局あんたらはどうすんだよ? 夕緋は千里と婚約するのか?」
陣さんが先ほどの説明の詳細を急いてくる。
「いえ、はっきりとはなにも……」
まだ御堂さんが悩んでいること、あと一日考えさせてほしいと伝えたことを話すと、陣さんは歯がゆそうにチッと舌打ちした。
ポカンとする私に、鈴木さんがその手の中にある私のバッグを手渡してきた。
「ご期待に添えず、申し訳ありませんでした」
突然謝られたものだから、ぎょっとして陣さんを見た。
「陣さん、もしかして、鈴木さんになにか言いました?」
「そのままだ。『お前がつまんな過ぎて、一緒にドライブなんかできねぇ』って」
なんてことを!
うつむいてしまった鈴木さんに、とんでもなく罪悪感が込み上げてきた。
「ち、違うんです、鈴木さん! けっしてそのようなことは――」
慌てて弁解する私をよそに、さっさと運転席に乗り込んでシートベルトを締めた陣さんが急かすようにクラクションを鳴らした。
「ほら、華穂、早く乗れ! 行くぞ」
「あ、はい!」
本当にすみません! と最後に鈴木さんへ一礼して、私は陣さんの車へ乗り込んだ。
鈴木さんと黒塗りの車をその場に残して、私と陣さんを乗せた赤いスポーツカーが走り出した。
「で。結局あんたらはどうすんだよ? 夕緋は千里と婚約するのか?」
陣さんが先ほどの説明の詳細を急いてくる。
「いえ、はっきりとはなにも……」
まだ御堂さんが悩んでいること、あと一日考えさせてほしいと伝えたことを話すと、陣さんは歯がゆそうにチッと舌打ちした。