Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
ひんやりとした風が肌を冷やし、次第に寒くなってきた。気温はいつもより五度くらい低そうだ。
「御堂さん、ここはどこなんですか? 車の中でずっと眠らされていたのでわからなくて」
「華穂の実家から割と近いところだよ」
御堂さんはそう答えると、手を前方にかざして車のリモコンキーを押す。
右前方にある車のハザードランプが赤く点灯した。
「黒幕が陣だとわかって、同時に華穂が陣の車に乗っていってしまったと聞いて俺は――」
不安で仕方がなかったというように胸の前でぎゅっと手を握りしめる。
「心配かけて、ごめんなさい」
彼は助手席のドアを開け私をエスコートしながらも、疲れたように肩を落とした。
「陣の言葉を聞いたときも不安でいっぱいだったんだ。本当にこれが陣と華穂の駆け落ち現場だったらどうしようって」
「そんなわけないじゃないですか」
助手席のドアを閉め、ぐるりと運転席へ回り込みながら心中を吐露する。
「華穂はとっくに俺を捨てて、陣のもとへ行ってしまったのかと」
「そんなこと思ってたんですか?」
意外と心配症な彼に思わず吹き出すと、彼は助手席の方へ身を乗り出して私のシートベルトを締めながら、不機嫌な声を出した。
「下手な愛想笑いでごまかして俺の前から消えようとするから、気が気じゃなかった」
「……そんなに下手でしたか?」
「ああ。もう二度と俺に嘘なんてつかないでくれ。全部バレバレだから」
「御堂さん、ここはどこなんですか? 車の中でずっと眠らされていたのでわからなくて」
「華穂の実家から割と近いところだよ」
御堂さんはそう答えると、手を前方にかざして車のリモコンキーを押す。
右前方にある車のハザードランプが赤く点灯した。
「黒幕が陣だとわかって、同時に華穂が陣の車に乗っていってしまったと聞いて俺は――」
不安で仕方がなかったというように胸の前でぎゅっと手を握りしめる。
「心配かけて、ごめんなさい」
彼は助手席のドアを開け私をエスコートしながらも、疲れたように肩を落とした。
「陣の言葉を聞いたときも不安でいっぱいだったんだ。本当にこれが陣と華穂の駆け落ち現場だったらどうしようって」
「そんなわけないじゃないですか」
助手席のドアを閉め、ぐるりと運転席へ回り込みながら心中を吐露する。
「華穂はとっくに俺を捨てて、陣のもとへ行ってしまったのかと」
「そんなこと思ってたんですか?」
意外と心配症な彼に思わず吹き出すと、彼は助手席の方へ身を乗り出して私のシートベルトを締めながら、不機嫌な声を出した。
「下手な愛想笑いでごまかして俺の前から消えようとするから、気が気じゃなかった」
「……そんなに下手でしたか?」
「ああ。もう二度と俺に嘘なんてつかないでくれ。全部バレバレだから」