Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
「な、な、なに考えてるんですかっ!」
「華穂ちゃんがいけないんだ、思わせ振りなことを言うから」
「そんな、私は……」
「君を見てると、意地でも振り向かせたくなる」
私をじっと見つめる、魅惑的な瞳。
冷静でいられないのは私の方だ。鼓動が高鳴って、惑わされそうになる。
真っ赤になった顔をごまかすようにうつむいて、テーブルの上に広げていた書類を彼の方へ押しつけた。
「そ、そんなことより、早く、契約書チェックしてください!」
「はは、ごめんごめん」
姿勢をもとに戻した彼が、両手を上げて降参のポーズをする。
なに食わぬ顔で再び書類に目を落とし、確認の作業を再開した。
私はというと、まだ心臓がどくどくと大きな音を立てていて、当分の間、彼の顔を見れそうにない。
「華穂ちゃん」
名前を呼ばれて、ハッと我に返った。
気が付くと、御堂さんが書類の真ん中辺を指先でトントンと叩いている。
「ここ、間違ってる」
「ええ!?」
立ち上がって目を凝らし、彼が指し示すところを見るも、開発に携わっていない私にはなにが正解でなにが間違いなのか分からない。
「……すみません、私では判断できないので、田所部長に確認させてください」
「あの人、電話繋がりにくいからなあ」
御堂さんがため息交じりに呟いた。
そういえば、昼間も言っていたっけ。
田所部長や開発部の社員は携帯が繋がりにくいから、私の番号を教えて欲しいって。
連絡が取りたいのに繋がらない――そんな場面に今まで何度も出くわしてきたのかもしれない。
「華穂ちゃんがいけないんだ、思わせ振りなことを言うから」
「そんな、私は……」
「君を見てると、意地でも振り向かせたくなる」
私をじっと見つめる、魅惑的な瞳。
冷静でいられないのは私の方だ。鼓動が高鳴って、惑わされそうになる。
真っ赤になった顔をごまかすようにうつむいて、テーブルの上に広げていた書類を彼の方へ押しつけた。
「そ、そんなことより、早く、契約書チェックしてください!」
「はは、ごめんごめん」
姿勢をもとに戻した彼が、両手を上げて降参のポーズをする。
なに食わぬ顔で再び書類に目を落とし、確認の作業を再開した。
私はというと、まだ心臓がどくどくと大きな音を立てていて、当分の間、彼の顔を見れそうにない。
「華穂ちゃん」
名前を呼ばれて、ハッと我に返った。
気が付くと、御堂さんが書類の真ん中辺を指先でトントンと叩いている。
「ここ、間違ってる」
「ええ!?」
立ち上がって目を凝らし、彼が指し示すところを見るも、開発に携わっていない私にはなにが正解でなにが間違いなのか分からない。
「……すみません、私では判断できないので、田所部長に確認させてください」
「あの人、電話繋がりにくいからなあ」
御堂さんがため息交じりに呟いた。
そういえば、昼間も言っていたっけ。
田所部長や開発部の社員は携帯が繋がりにくいから、私の番号を教えて欲しいって。
連絡が取りたいのに繋がらない――そんな場面に今まで何度も出くわしてきたのかもしれない。