Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
「どう? 綺麗でしょう? さっきリビングにあった薔薇の花びらを再利用したんだ」

「……はい。とても綺麗です……」

「華穂もおいで。一緒に入ろう」

「っえ……」

なんとなく予想はしていたのだけれど、思わず声を裏返らせた私に、夕緋はプッと意地悪く噴き出した。

「大丈夫だよ、恥ずかしくないようにたくさん花びらを浮かべておいたから。身体なんて全然見えないでしょう?」

「え……ええと……」

そういうことを言っているんじゃない。
一糸纏わぬ姿で一緒の空間にいるのが恥ずかしいんだってことに、男の人は気づかないのだろうか。

「じゃあ、目を瞑っててあげるから、おいで?」

夕緋がクスクスと笑いながら、こちらへ手を差し伸べる。
その腕すら、私にはちょっと刺激が強い。
今まで長袖を着ているところしか見たことがないから、筋肉質なそのラインがやたらいやらしく感じられた。

「……絶対、目を開けないでくれますか?」

「うん、わかったよ」

「目隠ししてもらってもいいですか?」

「……え?」
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