Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
第二章 お姫様にしてあげる
次の土曜日。
晴れやかな青空に西日が射し込む頃、私は自宅マンションの前で彼のお迎えを待っていた。
御堂さんが先日交わした約束――誕生日らしいお姫様ディナーでおもてなし――を果たしてくれるらしい。
しばらくすると、しなやかな曲線のフォルムの高級車が、通りの向こうから近づいてきて、私の前に止まった。
「華穂ちゃん、お待たせ」
御堂さんが運転席から顔を覗かせる。
スカート姿の私を見て、パッと笑顔になった。
「今日は一段とかわいいね。嬉しいなー。俺のためにおめかししてくれるなんて」
「おめかしだなんて、そんな……」
ディナーと聞いていたから、一応恥ずかしくない程度に、と思っただけだ。
御堂さんは車を降りると助手席の方へと回り込み、ドアを開けてくれた。
「その恰好も素敵だけど、実はもっとお姫様らしいとっておきのドレスを用意してあるんだ。ホテルに部屋を取ってあるから、そこで着替えよう。スタイリストとヘアメイクアップアーティストを呼んである」
「へ?」
わざわざスタイリストとヘアメイクを呼びつけるなんて、芸能人じゃあるまいし。
御堂さんは驚き戸惑う私の手を取り、そっと助手席へと座らせた。
「大丈夫。悪いようにはしないよ。少し、ドレスコードの厳しい店なんだ」
「そ、そうですか……」
いったいどんなお店に連れていかれるのだろう、ドレスでしか入れないなんて――よっぽどの高級レストランだろうか。
マナーにはあまり自信がないのだけれど、大丈夫かな……?
そんな不安が顔に出てしまったのか、御堂さんは私を安心させようとお決まりの甘くて柔らかい笑顔で応えた。
「心配いらないよ。俺が全部エスコートするから」
「……はあ」
なんだかうまいこと丸め込まれている気がする。いまいち納得できない私を乗せて、車は目的地に向かって走り出した。
晴れやかな青空に西日が射し込む頃、私は自宅マンションの前で彼のお迎えを待っていた。
御堂さんが先日交わした約束――誕生日らしいお姫様ディナーでおもてなし――を果たしてくれるらしい。
しばらくすると、しなやかな曲線のフォルムの高級車が、通りの向こうから近づいてきて、私の前に止まった。
「華穂ちゃん、お待たせ」
御堂さんが運転席から顔を覗かせる。
スカート姿の私を見て、パッと笑顔になった。
「今日は一段とかわいいね。嬉しいなー。俺のためにおめかししてくれるなんて」
「おめかしだなんて、そんな……」
ディナーと聞いていたから、一応恥ずかしくない程度に、と思っただけだ。
御堂さんは車を降りると助手席の方へと回り込み、ドアを開けてくれた。
「その恰好も素敵だけど、実はもっとお姫様らしいとっておきのドレスを用意してあるんだ。ホテルに部屋を取ってあるから、そこで着替えよう。スタイリストとヘアメイクアップアーティストを呼んである」
「へ?」
わざわざスタイリストとヘアメイクを呼びつけるなんて、芸能人じゃあるまいし。
御堂さんは驚き戸惑う私の手を取り、そっと助手席へと座らせた。
「大丈夫。悪いようにはしないよ。少し、ドレスコードの厳しい店なんだ」
「そ、そうですか……」
いったいどんなお店に連れていかれるのだろう、ドレスでしか入れないなんて――よっぽどの高級レストランだろうか。
マナーにはあまり自信がないのだけれど、大丈夫かな……?
そんな不安が顔に出てしまったのか、御堂さんは私を安心させようとお決まりの甘くて柔らかい笑顔で応えた。
「心配いらないよ。俺が全部エスコートするから」
「……はあ」
なんだかうまいこと丸め込まれている気がする。いまいち納得できない私を乗せて、車は目的地に向かって走り出した。