Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
「どこに行くんですか!?」
「王子様とお姫様が向かう先は、やっぱりパーティーじゃない?」
「パーティー?」
「とある企業が、株主や投資先の会社を招いて開催しているんだ。料理はフランスの三ツ星シェフが監修しているし、日本人の有名パティシエも参加している。食べ放題だ。美味しいよ」
「でも、そんなところに私が行ったらまずいんじゃ――」
「俺と一緒だから大丈夫」
突然御堂さんが歩みを止め、腰を屈めて私の顔を覗き込んできた。
両手で私の手を握り、ゆっくりと言い聞かせる。
「もし誰かに話しかけられても、なにも答えなくていい。全部俺に任せて。華穂ちゃんは、英語得意?」
「いえ……」
「それでいい。下手に内容が分かると、混乱してしまうからね。全部流して」
「なんですかそれ? って、ちょっと……」
私の質問には答えず、再び御堂さんは歩き始めた。
辿り着いた先は、パーティー会場へと続く広いエントランスホール。
受付に来客が並び、招待状をかざしている。その列には並ばず、御堂さんは顔パスで素通りする。
受付横の大きな垂れ幕に、太い筆で達筆に書き記されていたのは、このパーティーの概要。
『御堂グループ主催 創立50周年記念パーティー』
え……?
「王子様とお姫様が向かう先は、やっぱりパーティーじゃない?」
「パーティー?」
「とある企業が、株主や投資先の会社を招いて開催しているんだ。料理はフランスの三ツ星シェフが監修しているし、日本人の有名パティシエも参加している。食べ放題だ。美味しいよ」
「でも、そんなところに私が行ったらまずいんじゃ――」
「俺と一緒だから大丈夫」
突然御堂さんが歩みを止め、腰を屈めて私の顔を覗き込んできた。
両手で私の手を握り、ゆっくりと言い聞かせる。
「もし誰かに話しかけられても、なにも答えなくていい。全部俺に任せて。華穂ちゃんは、英語得意?」
「いえ……」
「それでいい。下手に内容が分かると、混乱してしまうからね。全部流して」
「なんですかそれ? って、ちょっと……」
私の質問には答えず、再び御堂さんは歩き始めた。
辿り着いた先は、パーティー会場へと続く広いエントランスホール。
受付に来客が並び、招待状をかざしている。その列には並ばず、御堂さんは顔パスで素通りする。
受付横の大きな垂れ幕に、太い筆で達筆に書き記されていたのは、このパーティーの概要。
『御堂グループ主催 創立50周年記念パーティー』
え……?