Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
第四章 君の瞳に気づいてた
翌日の夕方、御堂さんの仕事場を訪ねてみると。
「会いたかった……っ!」
右手を包帯でグルグル巻きにした御堂さんが、私の姿を見るなり飛びついてきた。
「ちょっ、御堂さんっ、みなさん見てますからっ!」
以前にも訪れたことのある、二階のオフィス。
訪問した時間が定時を過ぎていたせいか、社員は少なく、かろうじて残っていたのは三人だけ。
御堂さんと黒木さん、それから営業担当の三十代くらいの男性――確か名前は村田さんだったか。
以前、何度かうちの会社を訪れたことがある。金銭に関わる重要な打ち合わせのときだけ顔を出す、交渉のプロらしい。
そんな彼は抱き合う私たちを見て――というより、抱きすくめられて動けない私に向かって「こんな社長で悪いねー」とおおらかに笑った。
一方の黒木さんは、頬をわずかに赤らめながらも見ないようにしてくれている。
「ほ、ほら、御堂さん、お仕事残ってるんじゃないんですか!? 私はすぐ帰りますので、集中なさってください!」
御堂さんの予想外のリアクションに思わず逃げ腰になる私へ。
「もう少しそばにいて。いいでしょう?」
御堂さんはそう囁いて握った私の手に頬ずりした。
「会いたかった……っ!」
右手を包帯でグルグル巻きにした御堂さんが、私の姿を見るなり飛びついてきた。
「ちょっ、御堂さんっ、みなさん見てますからっ!」
以前にも訪れたことのある、二階のオフィス。
訪問した時間が定時を過ぎていたせいか、社員は少なく、かろうじて残っていたのは三人だけ。
御堂さんと黒木さん、それから営業担当の三十代くらいの男性――確か名前は村田さんだったか。
以前、何度かうちの会社を訪れたことがある。金銭に関わる重要な打ち合わせのときだけ顔を出す、交渉のプロらしい。
そんな彼は抱き合う私たちを見て――というより、抱きすくめられて動けない私に向かって「こんな社長で悪いねー」とおおらかに笑った。
一方の黒木さんは、頬をわずかに赤らめながらも見ないようにしてくれている。
「ほ、ほら、御堂さん、お仕事残ってるんじゃないんですか!? 私はすぐ帰りますので、集中なさってください!」
御堂さんの予想外のリアクションに思わず逃げ腰になる私へ。
「もう少しそばにいて。いいでしょう?」
御堂さんはそう囁いて握った私の手に頬ずりした。