さくらが散る日には

空は、夜と夕方のグラデーションがかかったような色だ。ここには、生いしげった木々と、私が今座り込んでいる階段の先にぽつんと教会のような真っ白な建物があるだけだった。


「…ここ…どこ?」

呟いた声は虚しく暗闇の中へと消えて行き、

さらに心細くなった気がした。




携帯は何度試してみても圏外だった。

かろうじて携帯の時計機能は使えたが、自分が今いる場所を調べることはできなかった。

(6時…半か…学校もう閉まってるかなぁ…)

こんなことなら怒られてもいいから彩葉ちゃんと帰れば良かった…












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