さくらが散る日には
『あ!〇〇ちゃん同クラだよ!よろしくね〜
!』
『△△中の高田だよな!?俺〇〇中の河野だけど!大会で会ったよな!よろしく!』
『部活もう決めた〜?迷うよね〜!』
ー春ー
それは、出会いと別れの季節。
そして、私の1番嫌いな季節。
ーキーンコーンカーンコーン…ー
「きりーつ、礼。」
ガタガタガタ
入学式を終え、まだ緊張感の抜けない騒めきの中、私は教室でひとり、不安
と戦っていた。
私の名前は
ー散華 桜ー
今日入学したばかりの高校1年生。
色素の薄い目に色素の薄いくせっ毛のポニーテールを揺らしている、ちょっと小柄なごくごく一般的な女子高生。
もともと内気な私は、不安と緊張感に押しつぶされてしまいそうになった。
(はやく…自分から話しかけないと…)
ガタッ
前の席の人がいきなり大きな音を立てて振り向いたので、心臓が止まりそうになった。
「散華 桜ちゃんだよね??私、宮川 彩葉(いろは)、よろしくね!」
(びっ…くり…したぁ…!)
「よっ、よろしく!!散華 桜だよ!」
(うまく返せたかな…)
ーーーーーーーーキーンコーンカーン…ーー
「へぇ!それじゃあ、部活には入らないんだね!ちなみにわたしはバスケ部だよ!」
「そうなんだぁ!じゃあ応援とか行くね!」
「ありがと!!頼むわ〜」
私はさっき話しかけてくれた子“宮川 彩葉”ちゃんと友達にることができた。
話を聞いていると、徐々に彩葉ちゃんのことが分かってきた。
私が思うにこの子 宮川彩葉ちゃんは、
才色兼備なのである。
入試も余裕の点数、中学の時入っていたバスケ部では県選抜。加えてこのルックスときたら…
(世界は不平等だ……)
彩葉ちゃんは、綺麗な茶髪のショートカットにクリクリした瞳。高い身長さえ気にしなくなってしまうほど可愛らしい顔立ち。
「非の打ち所がないってこのことかぁ」
道に停車している車の窓ガラスに映る自分と目があって、さらにガッカリする。
(私ってこんな冴えない顔だったっけ…?)
……ま、まあ!!何はともあれ、お友達ができました!