キミよりカレ
カレだけ
【Noa side】
朝、れい姉が作ってくれた朝ごはんを食べていると、
(ピコン!
スマホの画面上にとある名前が表示された。
その名前を見た瞬間、私の食べるスピードは劇的に速くなる。
「乃愛、どうしたの?」
れい姉に話しかけられるが、喋っていては時間の無駄だ。
やばい、早く家を出ないと!!
その気持ちだけで皿洗いや身支度を済ませ、家を飛び出す。
その姿をれい姉は不思議そうに見ていたけれど、そんなのこの際どうでもいい。
「早すぎるんだけど!!
駆!!」
「え、昨日より2分遅いよ?」
「それは誤差の範囲!!」
「しょうがないよ、乃愛ちゃんに会いたいんだもん。」
そう、こいつ。
私の彼氏、関口駆が早く家に来るからである。
れい姉には彼氏がいることを言っていない。
言った日には尋問されるに決まってる。