さよならの1番遠いところ



『ねえ、亜貴。
制服見せ合いっこしよ!』

「そんなの明日から嫌でも着ることになるじゃねーか。めんどくさい却下」

『のぞいたらしばくからね!』



着替え用に取り付けたカーテンを閉じて新しい制服に袖を通す。


却下って言ってんのに…

カーテンの向こうでボソボソ言ってる声が聞こえてくるけど、そんなこと無視して鼻歌を歌う。

中学はセーラー服だったが、高校からはブレザーになる。

しかも可愛いって評判の制服らしい。

チェックのスカートを膝より少し上になるように折り曲げて、おかしなところがないか鏡で確認する。


『どうかな?』


カーテンを開けると、嫌々ながらも着替えてくれた亜貴の姿。

亜貴も中学は学ランだったから、ブレザー姿は新鮮。そして中々似合ってる


「孫にも衣装だな」

バカにしたようににやって笑う亜貴に少しでもときめきかけた自分を怒りたい






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