さよならの1番遠いところ




「うそだよ、似合ってる」

…うん、許してやる。

なんて単純すぎる私は、似合ってるって言葉で怒りはどこかへ飛んでいく。


『亜貴も似合ってるね!珍しくかっこいいよ!』

「珍しくは余計」


照れくさそうに笑いながら、もう着替えるからってカーテンを閉じた亜貴に聞こえるか聞こえないかぐらいの声で呟く


『ありがとう』


制服を脱いできちんとハンガーにかけておき、明日からどんな学校生活が待ってるのか楽しみにして、布団に潜り込んだ。


『おやすみ、亜貴』

「おやすみ。寝坊するなよ」


一言余計だっての…





この時の私はこれから始まる高校生活を本当に楽しみにしてた。

今までバラバラだった亜貴と同じ高校に通える、それがとても嬉しかったんだ。


でも、亜貴はあの高校に通わない方が良かったんじゃないかなって今では思ってる。

そうしたら、あんなことになることはなかったんだよね…





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