さよならの1番遠いところ
施設から学校までは徒歩で三十分。
亜貴とお話ししながら一緒に歩くとあっという間に到着する。
今までは施設を出たらすぐに反対の方角に曲がっていたからこんな風に登校するなんて夢見たい。
「おはよう〜」
「クラス一緒だといいね!」
学校が近づいてくると周りには同じ制服を来た学生達がいて、その集団に私と亜貴は混じる。
「新入生の皆様はこちらへ来てください」
先生らしき人数人が門の前に立って生徒達に挨拶をしている。
その中の一人の先生にどこへ行けばいいのか尋ね、言われた場所へ向かう。
『亜貴、同じクラスだよ!!!』
「え、最悪。他人のふりしろよ」
『なにそれ!私が恥ずかしい人みたいに言わないで!』
「よくわかってんじゃん」
「2人仲いいのね」
ん?誰??
後ろから聞こえた声に振り返るとそこにいたのは綺麗なお姉さんって感じの人。
「亜貴くん、入学おめでとう。これから三年間よろしくね?」
「サンキュー。お手柔らかに、せーんせい」
先生と呼ばれたその人はクスクスと笑う。亜貴にこんな綺麗な知り合いがいたなんて知らなかった…。