さよならの1番遠いところ



「ご飯できたよ」

あったもので簡単に作っただけだけどって言って並んでるのは野菜炒めと味噌汁、大根サラダ。

十分立派な夜ご飯を前にお腹が鳴る。


『いただきます!』

「召し上がれ」



小さい机を二人で囲んで食べる。

そんなささいなことが幸せだった。

こんな小さな幸せがこれからたくさん待ってるんだって、期待してたよ。


でもそんな小さな幸せすら、見えなくなってしまうくらい亜貴は悩んでいたんだね。

気づいてあげれなくてごめんなさい。


違う、気づいてたのに、何もいえなくてごめんなさい。

何となく察していたのに、止める勇気がなくて、本当にごめんなさい。


あの時の私は亜貴の優しさに甘えていたんだね。




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