桜色の涙
でも、ここは朝の教室。
「……じ、迅くんっ!」
俺と星那ちゃんは一緒に登校しているわけで。だからもちろん彼女もこの教室にいるわけで。
も、もしかして今の会話聞かれてた?
「もう、恥ずかしいよ……」
彼女は真っ赤に染まった顔を手で隠す。その姿も可愛くて、もう俺ダメかもしれない。
一緒にいると可愛いところばかりが見つかる。
「星那ちゃんっ!」
我慢はできなかった。彼女に歩み寄り、人目も気にせず抱きしめる。
「ここ教室だよっ……」
彼女もそう言うけど、俺の体に細い腕を回す。
はぁ、好きだなぁ。どうしてこんなに可愛いんだろう。