桜色の涙

『篠原、男子でやりやすい人はいるか?』


と、先生に問われて一瞬にしてクラスの視線は俺に突き刺さる。


『え……?』


『迅くん、ダメ……かな?』



────ドキッ。



そんなに可愛く聞かれたら断れるわけない!


それに、他の男子と一緒に委員会をするなんてそんなの嫌だ。


『俺、やります』


答えは当然YESしかなく、俺と星那ちゃんは実行委員になったんだ。




「ごめんね、迅くん……」


「大丈夫だよ。星那ちゃんと一緒にできるなら委員会だってきっと楽しいし」


もうそんなに潤んだ瞳で見ないでよ……。本当にその可愛さには勝てない。


彼女のためなら、彼女と一緒なら。俺はなんだってできる気がするよ。
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