桜色の涙
今はまだ “ 形だけの彼氏 ” でいい。
でも、いつか彼女からの「好き」が聞けたなら “ 本物の彼氏 ” になることができるのかな。
「終わったら委員会の仕事があるけど、無理しないでね?」
「わかっているよ。じゃあ行ってくるね」
小さく手を振る彼女を抱きしめてその場から立ち去る。
……耳まで真っ赤にするなんて可愛すぎ。本当に天使だよ。
さっき言っていた委員会の仕事っていうのは、競技の審判をしたり次の競技の準備をしたりすること。
俺はそれを彼女とふたりですることになっているんだ。めんどくさいと思っていたけど、彼女と一緒なら話は違う。