桜色の涙

たとえどんなに傷ついても




「渚!楽しみすぎて眠れないよ!」


〈その割には嬉しそうだな〉


星那ちゃんとデートなんて、いつになっても慣れなくてドキドキしてしまう。



今日は12月23日。そう、明日はクリスマスイブ。


星那ちゃんと一緒に駅前のイルミネーションを見に行くんだ。そのことについて今は渚と電話で相談中。


一緒に出かけるなんて夢みたいだよ。今までだってデートをしたことはあるけど緊張する。



何話そうかな。どんな服着ていこうかな。プレゼント喜んでくれるかな。


頭の中が彼女でいっぱいになって、とても眠れる状況ではない。


こんなこと言ったら引かれてしまうかな。また彼女のことを考えている自分に気づいて不思議な気持ちになる。
< 132 / 374 >

この作品をシェア

pagetop