桜色の涙
こんな気持ち、彼女と出会うまでは知らなかった。
こんなにも好きな人に出会えて、そして付き合えるなんて、俺って幸せ者だなと思いながら話を続ける。
〈……で?プレゼント渡すんだろ〉
「うん!ブレスレットなんだけど喜んでくれるかな」
クリスマスプレゼント。形に残る物を渡したくて必死に悩んでいたときに、彼女に似合いそうな薄ピンク色のブレスレットを見つけた。
見た瞬間「これしかない!」と思って、値段なんて気にせずに買ったんだ。
〈迅が選んだなら間違いねーだろ〉
「そ、そうかな……?」
でも、身につける物を渡すなんて重いって思われないかな。
まだ付き合ってから4ヶ月くらい。それでも俺の “ 好き ” は毎日積もっていく。
星那ちゃんも少しは意識してくれているかな。そうだったら嬉しいんだけど。