桜色の涙

「迅と一緒に来てみたかったんだ」


そう笑顔で言ってのける彼女は、もう「迅」と呼ぶことに慣れたらしい。


何回かここに来たことがあるのか軽い足取りで店内を回る。


俺はというと、こんなに可愛らしいお店なんて来たことがない。どこを見たらいいのかわからないけど星那が楽しそうならそれでいいかな。



「あ、あった……!」


少し遠くで嬉しそうに手招きする星那が見えて近くに駆け寄ると、そこにはキラリと光るウサギのストラップがあった。


あれ?このウサギ、どこかで……。



「私のバッグにもついているウサギなんだけど、迅とお揃いで買いたかったんだ」


あ、やっぱり。バッグについているピンクのウサギだったんだ。


このウサギ、好きなのかな?無邪気にストラップを見つめる彼女は可愛い。
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