桜色の涙

「迅、ありがとう!毎日つけるね」


「えぇっ、そんな……喜んでもらえて良かったよ」


毎日つけるだなんて大袈裟だよ。俺はただ形に残る物をプレゼントしたかっただけなのに。


……でも、つけてくれるなら嬉しいかな、なんて。今もブレスレットを眺める彼女を見ながらそう思った。



「あっ、そうだ」


すると、思い出したように星那が弾けた笑顔を見せた。不思議に思って見ていると彼女はバッグの中から何かを取り出す。



「私からもプレゼントだよ」


そう言われて手渡された箱を開けて中を見てみると。


「時計だ……」


黒縁に金色の線が入った少し大きめの時計。
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