桜色の涙
しかも、これは俺でも知っている有名ブランドの物。こんなに高い物もらってもいいのかな。
でも、せっかく俺にプレゼントしてくれたんだ。ここはお言葉に甘えるとしよう。
「ありがとう。俺も大事にするよ」
「うん、良かった」
また彼女は嬉しそうに笑う。
顔を上げると綺麗に輝くイルミネーションが見える。このまま時間が止まればいいのに。何度そう思っただろう。
これから俺は、星那とどれだけ思い出をつくっていけるんだろうか。
いつか心を開いてくれたなら、本当に笑って過ごせるときがくるのかな。
────まだ何も知らなかった俺は、その日を永遠に待ち続けることになる。