桜色の涙
「ありがとう」
「……時間が経つのって早いなぁ」
最近それをしみじみ思う。
今は1月の下旬。星那とのクリスマスデートから早くも1ヶ月が経った。
あれから俺は彼女を家まで送ってから家へ帰った。そして『俺的には成功したと思うけど……』という前置きをしてから渚に電話をかけて、冬休みをじっくり堪能した。
とはいっても、冬休みは短いから宿題を終わらせて初詣へ行ったくらいしか思い出はない。
本当なら初詣は星那と一緒に行きたかったけど、あいにく家族旅行らしく杏と行くことにした。
母さんはお正月も仕事で忙しい。寂しそうな杏の顔に気づきながらも、俺達は1番近くの神社へ行った。
久しぶりに繋いだ杏の手は前より少し大きくなっていて、子供の成長って早いなと感じながら神社でお参りをした。