桜色の涙

「どうしたの?」


「……1組かよ」


ボソッとそう呟いた渚はまた不機嫌な顔に戻った。


1組って何が?名簿を見てみると、そこには橋本さんの名前があった。



「なるほどー?橋本さんと同じクラスがよかったんだ?」


「……ちげーし、バカ」


からかってそう言うと渚は顔を赤くして、俺に暴言を吐き捨てると足早に歩きだした。


渚も橋本さんのことを大切に想っているんだな。このことを教えたら喜びそう。


ふたりの進展にガッツポーズをしながら渚を追いかける。



「迅、篠原は?」


「4組だって」


それだけ言うとまた黙って歩き始める。
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