桜色の涙
「離してよっ……」
星那が俺と別れようと思ったこと、俺が悪いから何も言えないけど。
1度幸せを、ぬくもりを知ってしまったら、もう知る前には戻れない。それは星那も同じだよね?
「好き、だよ……っ」
絞り出した言葉は震えていて、俺の声に彼女の動きが止まったのがわかった。
「え……?」
振られたっていい。避けられたっていい。それでも俺はこの気持ちを伝え続ける。
「何言っているの……?」
彼女はポカンとした顔で俺を見つめる。
でもその表情には少し諦めも見えて。そんな顔をされたら俺まで悲しくなってしまうよ。