桜色の涙
でも、私はそのときとんでもないものを目にした。彼氏の悠大が知らない女子と手を繋いで歩いているところを。
最初は見間違いかと思った。だって私が夏祭りに誘ったときは『用事があって行けない』と言っていたから。
花火が上がった瞬間ふたりの唇が重なったのが見えた。この会場にいるなんて、それも女子と一緒にいるなんて。
信じたくなかった。でもそれは現実で、結局私達は別れてしまった。
小さいときから幼馴染みとして隣にいて、中2のときに付き合えて、本当に嬉しかった。
ずっと一緒で大好きだったのに。もう私の知っている悠大は隣にいない。
そのときは本当に悲しくて、隣に迅がいるのに泣いてしまったんだ。
それから、私達が友達以上の関係になったのは夏休みのこと。
悠大とのアルバムを見つけてしまったときになぜか私は迅に電話をかけてしまった。
どうしてかな。わからないけど気づいたら手が動いてしまったの。
それから彼は私の家まで来てくれた。とても心配して話を聞いてくれて……そして告白された。あのときのことは今でも鮮明に覚えている。
悠大と別れたときにはずっと隣にいてくれて、私が落ち込んでいるときには声をかけてくれた。
でも、そのとき1番辛かったのは彼なんだってわかった。