桜色の涙
「星那ちゃん、江崎くんが呼んでいるよ」
橋本さんと話している星那ちゃんに話しかけると。
「あ、広瀬くん!」
瞳を輝かせた橋本さんに話しかけられた。そういえば、実際に話すのは初めてかも。
クラスでも目立つ存在だから知ってはいたけど俺が一方的に知っているだけだと思っていた。
「広瀬くんって園田くんと仲いいよね?」
「うん、まぁ」
渚に用があるのかな?相変わらずキラキラした目でこっちを見つめてくる。
そして、頬を赤らめながら「お願い」とポーズをとった。
「あたし、園田くんのことが好きなんだよね。だから今度デートに誘おうと思って」
協力してくれるよね、と。笑みを浮かべて彼女はそう言った。