桜色の涙
すごいことを聞いた気がする……。
あの橋本さんが渚のことを好きだなんて。その事実にも平然と言ってのける様子にも驚いた。
星那ちゃんはニコリと微笑みながら会話を見守るだけ。
「あ……うん、協力するよ」
具体的にどんなことをするのかはわからないけど、渚に恋している子の頼みを聞かないわけにはいかない。
「ありがとう!」
話しているところは見たことないから一目惚れかな?一途に想えるって素敵だな。
「……迅、まだ?」
すると、不機嫌そうな顔をしながら俺を待っている渚の声が横から聞こえる。
うわ、なんだか怒っているよ。それでも橋本さんは嬉しそう。