桜色の涙
「星那、そろそろ行ったら?」
「うん、また明日ね」
橋本さんにそう言われ、星那ちゃんは手を振って教室から出て行ってしまった。
もう少し話したかったな、なんて。星那ちゃんには江崎くんがいるのに。なくなったはずのモヤモヤがまた大きくなっていく。
すると、横からツンツンと肩を叩かれ慌てて振り返る。
「な、何!?」
「ふっ、焦りすぎ」
わ、笑った!あの渚が笑ったよ、今!
「橋本さん!今の見たよね?」
「もっちろん!レアな園田くん見ちゃった」
思わず話題を振ると彼女は嬉しそうに頷いた。ふたりで笑っているとどんどん渚の顔が赤くなっていく。
「わっ、園田くん赤いよ!可愛い!」
橋本さんの言葉に、渚はもっと赤みを増していく。