桜色の涙


◇◆◇



「広瀬くん、おはようございます」


「お、おは、おはよっ」


うん、ダメだな。俺って嘘をつけないタイプなんだろうか。



小谷さんに告白された翌朝。朝食のバイキングで俺は彼女に出くわしてしまった。


別に会うのが嫌なわけじゃない。でも、昨日の今日でやっぱり気まずいというのが本音。


意外にも彼女は何もなかったかのように接してきた。俺や周りの人に気をつかわせないためかな?


一方、俺は意識してばかり。こんな調子で今日の班行動は大丈夫なんだろうか。



朝食は、白米に味噌汁、焼き魚、おひたし……など、和食だった。


やっぱり俺は日本人なんだな。白米に合う味つけの濃い副菜が本当に優しく感じる。
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