桜色の涙

「千佳のこと、傷つけな……」


「私が、どうかしましたか?」


彼女が何かを言いかけると、運悪く小谷さんが戻ってきてしまった。


でも、内容が小谷さんのことだったからその話を続けることはできない。


でも、俺は後から矢代さんの忠告を聞いておけば良かったと後悔することになる。




◇◆◇



「星那……」


夕食を食べてお風呂にも入って、あとはみんなと話して寝るだけ。そう思って部屋にいた俺のところにひとつのメールが届いた。



渚に言われて見てみると差出人は……思いもよらない人だった。


『えっ!』と思わず声をあげてしまったのを覚えている。でもそれほど驚く相手だった。


《何も聞かずにこれからロビーに来て》


そんな内容のメールが星那から届いたんだ。
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