桜色の涙

今こうして悠大と一緒にいることが不思議に思える。


通りかかる人達はきっと誤解しているよね。私と悠大がヨリを戻したって。



「俺、星那とあんな別れ方してずっと後悔していた。星那は俺とずっと一緒にいてくれたのにな」


「な、にそれ……」


そんなことを言ってももうあのときには戻れないのに。


それに私は戻りたくなんてない。悠大のことはちゃんと思い出にできた。


迅のことが好き。この気持ちは誰に抱いた気持ちよりも大きいんだ。




「なぁ、俺と付き合わねぇ?」


息が止まったかと思った。悠大は私と別れてから女子で遊ぶようになって、見る度に違う女子を連れていた。


だからこんなに真面目な顔は久しぶりに見た。……そう、あの中学生のときみたいに。
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