桜色の涙
「星那……」
お願いだから、そんなに切なげな顔で私の名前を呼ばないでよ。私のしたことが無意味だったように思えてしまうから。
この気持ちは私を置いてどこへ向かうんだろう。私の中では今も変わらず熱いままなのに。
「大好き、だったのにっ……」
ねぇ、どれだけ強くなったらまた笑えるのかな。どれだけの時間が経てばまた進めるのかな。
この止まったままの時計はいつ動きだすんだろう。
私には、迅しかいないんだよ。
ねぇ、君は私にたくさんの希望と幸せをくれたよね。
でも私は弱いから、向き合わずに逃げることしかできなかった。
その幸せを返す自信がなかったんだ。