桜色の涙

「星那に会って何するつもり?」


「告白……っていうか、クリスマスの予約をしようと思って」


告白?クリスマスの予約?


それって……やっと星那に気持ちを伝えるんだな。これで星那は幸せになれるんだな。



「星那は………玄関にいる」


教えるか教えないか一瞬迷った。最後の反抗として足掻こうとも思った。


でも、俺だって昔のまま立ち止まっていたわけじゃないんだ。


いろいろな世界を見てきた答え。それが、星那と広瀬の背中を押すことだ。



「ありがとう。でも、どうして江崎くんがそれを……」


「知らねーの?俺達、一緒に帰っているからな」


広瀬の言葉を遮り意地悪にそう答える。



たとえ俺と星那が恋人じゃなくても、“ 幼馴染み ” という関係は変わらない。


それなら俺は─────。
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