桜色の涙

「どうして?」


最初に発されたのはその言葉だった。


そんなこと、ずっと前から決まっている。俺の中の答えは変わらないままなんだから。



「星那に伝えたいことがあるんだ」


もう逃げない。逃げたくない、絶対に。どんなに目を逸らされても俺はずっと星那のことだけをまっすぐに見つめる。


「……うん、わかったよ」


表情までは見ることができなかったけど、確かに星那は了承してくれた。


俺の気持ちに負けたのかはわからないけど、向き合うチャンスをくれたことは確かなんだ。



「学校が終わったら星那の家に迎えに行くからっ……!楽しみに待っていてよ」


懐かしいな、この胸の高鳴り。初めて経験してからもう1年も経つんだ。


星那に出会ってからもうこんなにも月日が過ぎたけど、俺の気持ちだけは変わっていない。


そう、今だって変わらず、いや……前よりずっと星那のことが好きなんだ。
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