桜色の涙
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約1ヶ月後のクリスマスは思ったより早くやってきた。
今年は終業式の日にクリスマスだからか、学校は朝から楽しそうなムードに包まれている。
そんな中ひとりだけ悶々と考えごとをしているのは……きっと俺だけだろう。
「迅、何してんだよ」
「渚……おはよう」
本当はおはようなんてそんなに心地いい挨拶をする気にはなれない。
だって今日は久しぶりに星那とふたりだけで会うんだから、緊張しないはずがないだろう。
「今日だよな」
「うん」
短い会話。きっと俺に気をつかって深くは聞かないようにしてくれているんだ。
「……頑張れ」
渚は人の心を読むのが得意だけど、口下手で不器用。でも、一緒にいることが心地いい。