桜色の涙
「星那と見られて良かった!」
また星那とこの桜の木を見られるなんて思わなかった。
初めて出会ったのもこの桜の木。別れてから気持ちを再確認したのもこの桜の木。
そして今誰よりも愛しい星那が隣にいる。
「私もだよ」
そう言って彼女はまたフワリと微笑む。
────あぁ、好きだな。そんな気持ちが広がる。
何もわかっていなかったかもしれない。力になんてなれなかったかもしれないけど。
星那に恋をして全力だった日々。誰かのために走り続けた毎日。俺はきっと忘れないだろう。
そして、それはこれからもずっと続いていく。
俺達なら “ 大丈夫 ” だよ。不確かで信用なんてできない言葉かもしれないけど、俺のこの気持ちは嘘じゃない。