桜色の涙
「何もされていないよね……?」
何かあったら大変だよ。俺が彼女を守らなければならなかったのに。
「大丈夫だよ。途中で諦めたみたいだから」
その言葉にホッと肩をなでおろした。『近くのベンチで休んでいて』なんて言わなければ良かった。
結局俺のせいなんだ。
「迅くんのせいじゃないからね?」
え?どうして俺の思ってることがわかったんだろう。
「迅くんは私のためにかき氷を買ってきてくれたんだから、いいの」
いいわけないよ。
口を開いたけど彼女はそんなことを望んでいない。そう思い直してやめた。